第12回 ガーディアン・ガーデン演劇フェスティバル 公開二次審査

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  • 2002年
  • 9月23日(Mon) 00:00
天王洲スフィアメックス
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審査員
今井美知(シアター・テレビジョン)
審査員
うにたもみいち(演劇エッセイスト)
審査員
加納幸和(花組芝居 座長)
審査員
川村毅(作家・演出家)
審査員
坂口真人(演劇ブック社 代表)
審査員
日比野啓(演劇研究者)
このフェスティバルの一次審査に合格したと知ったとき、私はかなり驚いた。
 何故なら、実はこのフェスティバルには事項の多岐にわたる応募用紙があって、その中に、「あなた達はこの劇場をどのように使うか、舞台図を描いて下さい」という項目があった。機会があればそれを描かせる意図を主催者側にに訊ねてみようと思っているが、とにかくその用紙に、自己批判ショー制作担当、小菅はなんと「下手くそなアヒル」を書いたのだ。
 罰として後ほど小菅にはその舞台図をこのHP上で発表させる(←当時)が、とにかく、その下手くそなアヒルの口からはふきだしで「秘密よーん」とかなんとか、よく覚えていないがそんな事が描かれてあった。百歩譲ってそれが上手ければ、審査員を笑わせようとしている、と、あくまで百歩譲ってだが、判断できる。しかし、物凄く下手なのである。ヘタウマというのでもない。本当に下手。まるで10歳まで狼に育てられた少年が初めて描いた絵の様なのである。
 私をさらに驚かせたのは、それを自己批判ショーの相当数の人間が見ているにも関わらず、誰も送付を制止しなかった点だ。
 私は自己批判ショーのメンバーはともかく、スタッフは、社会的秩序を重んじる、常識ある人間だと思い、全幅の信頼をおいて付き合ってきたつもりだ。しかし、スタッフの一人は、こともあろうにその舞台図を見て「僕は好きですね、これ」と言ったのである。
 しかし、何故か第一次審査は合格、こともあろうか審査員の寸評の中には「舞台図は最高!」というものまであった。
 私は今、社会人として持つべき常識という価値観を考え直す転換期を迎えているのかもしれない。
 そんな私のある種の絶望感とはまるで関係無く、この二次審査は公開である。
 私がそれを告知する前に、もう数人がフェスティバル事務局に電話し、観覧予約をしたという。
 このフェスティバルに合格すれば、平たく言えば、来年春のフェスティバルに参加できる。限界まで言い方を平べったくするならば、公演がタダで打てるのだが、この合否の結果はおそらく相当の部分が自己批判ショー自身の問題ではないので、我々に出来ることと言えば、そこにいる観客を笑わせることだけ。笑わせることだけ(リフレイン)…。
 審査の10分、その事だけに専念した自己批判ショーを見せるので、観覧予約をして頂いた方には損はさせないつもりでやりたい。